2007年4月25日
| 電気農場日記 2007年4月前半 |
アイガモ達は野外へ
4月01日
かっ、風が強い!
その上ものすごい黄砂。
雪をかき分け、野外にハウスパイプで設置したアイガモの運動場は屋根のビニールが素っ飛んだ!!
もっとも骨組みが壊れると困るので、素っ飛び易いようにはしているんだけれども、設営してすぐ、こんなに早く素っ飛ぶとは思ってもみなかった。
明日は又やり直さなきゃ。
昨日、種籾の塩水選と温湯消毒無事終了。
去年はそれまで出なかった「バカ苗病」が少し出たので、塩水の比重をちょっと高めに&キッチリ、シッカリお湯に漬ける。
家の方みたいに気温が低いと乾いた籾よりも塩水選して水に浸した籾のほうが温度が高くて、お湯に漬けたときお湯の温度が下がりにくい。
午前中は天気もよく籾をつけてもお湯の温度が下がりにくかったが、午後から急に寒くなって冷たい風が吹き、水に漬けた籾の温度が奪われて、漬けたお湯の温度も下がり気味。おかげでちょっと時間が掛かったけれど、それでもトラブル無く無事終了。その頃にはかなり寒くなって、お風呂に直行。
−−−
4月04日
ハウスのビニールの張り替え作業をダラダラやってます。
いや、今日は雪が降るってえから、あんまり気分がのらないもんで。
足りないものを買いにホームセンターまで行ったついでに、グルッと遠回り。
すっかり雪は融けたな。町場を離れるとどこもかしこも真っ茶色。緑なんてありません。茶色い田んぼに雪解け水がどっぷり溜まっていて、風が吹いて波立って、暗い水面にキラキラと日の光が反射する。何とものどかだなあ。
なんだい。結局雪は降らなかったじゃないか。もうちょっと気を入れて仕事すればよかった。
−−−
4月08日
ハウスのビニール張り、一棟終了。二棟目に取りかかったところで突然雨。青空なのに。雷もどっかで鳴っている。しばらく降って、また青空。いったい何だったんだ?
おかげで仕事が半端になってしまった。
残りは明日の朝仕事。
今日、知り合いが庄内浜から採りたてのワカメを持ってきてくれた。
さすが、スーパーで買うものとはぜんぜん違う。
舌触りがとても柔らかく、噛めばシコシコ。
茎の所はコリコリと。
わさび醤油でたっぷり食べた。
−−−
4月10日
午前中、I川さんの種籾の温湯消毒。今年もだいぶ黒米を作付けするようだ。
去年の有機栽培はイネミズゾウムシの被害でだいぶ減収したので、今年は対策としてアイガモを入れようかどうしようか検討中だった。
I川さん話によるとM田くんは今年、有機の稲作はやめるそうだ。彼の場合、有機の野菜が経営の中心で、田んぼまでとなると続けるのが大変なのかな。
午後から黒米の種籾の選別。
乾いた籾の状態だとわからないけれど、水に漬けていると中の玄米の色が透けて黒くなってくる。
帰性遺伝というのだそうだが、自家採種で栽培していると、白い粒が混じってくる。一粒一粒より分ける。
−−−
4月13日
ここのところの天候はだいたい晴れで、時々雨。
降っても荒れない、穏やかな毎日です。
おかげで仕事は順調に進みます。
明日は苗床の土の混合&種籾の芽だし。
明後日は床土を苗箱に詰める。
その翌日に種まき。
トラブルがなければこういう日程。
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2007年4月3日
| 電気農場日記 2007年3月 |
種籾の塩水選
※おしらせ
在庫に余裕が出来たので、有機栽培さわのはなの販売を再開しました。
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3月06日
ぽかぽかと暖かい日がずうっと続いて、雪もだいぶ融け、田んぼの畦が見えだした。
今年は春が早いなあなんて思っていたら、あっ雪だ。夕方にはすっかり全部真っ白に埋め尽くしてしまった。こういうのも、まあいいいか。
週末の新聞にまたアメリカ産牛肉問題。
輸入が禁止されているアメリカ産牛肉原料の加工品ソーセージが見つかったそうだ。
米国政府発行の証明書には牛肉使用が記載されておらず、家畜伝染予防法と食品衛生法違反だそうだ。政府のお墨付きも信用できないとなると、いったいなにを信じていいのかわからなくなってくるな。
やっと所得税の申告が終わった。来客があったり、集会があったりでなかなか進まなかった。ほっと一息つきたい所だが、机の上には今年の有機認証の申請書類。またデスクワークだ。頭が沸騰してしまう。
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3月12日
今年は暖冬で春作業も早まりそうだ。そろそろ段取りをしようかと思っていたところ、突然大雪。すっかり土が見えていた家の周りも、あっという間に膝くらいまで雪が積もってしまった。
で、今日はこの冬一番の猛吹雪。3月の半ばになってから真冬並みの低温。とうとうビニールハウスのビニールが破けてしまった。半分ほど飛んだ。すでに所々穴が空いていて春には交換しようと思っていたからもったいなくはないけれど、それにしてもこの時期のこの天気。オソロシや。脱穀作業が終わった後でほんとよかった。
新聞によると暖冬の原因となったエルニーニョ現象が終息し、今度はラニーニャ現象だそうな。てぇことは夏暑くなる??
もうわけがわからん。どっちにしろ今年は天気に泣かされそうだ。
−−−
3月19日
今日も朝からずんずん雪が降り続く。
毎日15cmくらい降り積もる。でも日中気温が上がって融けていき、一進一退の攻防。
春の訪れが早いと思われたが、すっかり真冬の景色の逆戻り。
屋根の破れたビニールハウス。中にすっかり雪が積もってしまった。
外仕事はとても出来ないんで、コタツの中でアマランサスの選別作業をちまちまやってます。
そろそろ種籾の準備などはじめたいんだけれど、この天気じゃとてもコタツからでる気になれない。
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3月25日
やっと春っぽい天気になった。
雪が止み、雨になり、積もった雪がどんどん融けていく。
久しぶりに日も差し、気温も上がり、コタツに入っているのがなんだかうっとうしくなってきた。
そんなわけで、じっとしていられず、せっせと今日も雪消し。
明日は作業小屋から機械をひっぱり出そう。
やることがいっぱいだ。
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3月30日
だいぶ雪が融けた。農業用溜め池で越冬していた白鳥たちもそろそろ北へ帰るところ。頭の上、列を作って飛んでいく。
そろそろアイガモを屋外に出さなければ。雌の鴨がポコポコ卵を産み始めている。今年は何羽孵るか。
明日はいよいよ種籾の塩水選&温湯処理をしようということで、なんだかんだ準備で忙しい一日。
夜はまた消防団で一杯。忙しいなあ。♪
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2007年3月6日
| 電気農場日記 2007年2月 |
やっぱり雪が少ない
2月10日
暖冬で雪が少なく、そろそろ田んぼの土が見え始めるんじゃないか、なんて思っていたら、2月に入って早々大雪警報。
降って、吹雪いて、ひさびさに除雪機登場。去年は毎日毎日除雪作業でうんざりだったが、なんだかけっこう楽しい。
それでもやっぱり気温が高い。せっかく積もった雪もすぐ水っぽくなってぐちゃぐちゃ。今年はこれ以上寒くならないなこりゃ。
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2月13日
急に近所の葬式が入って、その手伝いで丸二日。
亡くなられたのは私が20代のころ、秋の刈り入れ時期、農協の米倉庫でのバイトでずいぶんとお世話になった方です。
家の地区は開拓村ということもあるからか、葬式は地区の隣組中心で執り行う習わしです。
役所関係の手続き、葬儀屋やお寺の手配、会葬者へのお使い、式の段取り等々、近所の人で手分けして大忙しです。
大概自宅での葬儀となるのですが、今回初めて葬儀場での葬儀・告別式ってのを体験しました。
なんか、「テレビでよく見るやつだ」って妙に感心してしまいました。
でもなんか、司会の人のしゃべり方とか、テンポとか、それらしすぎて変な感じ。自宅で近所の人たちで執り行う葬式は、死が日常の延長線上にあるなって感じですが、葬儀場だとなんか日常から切り離された、非現実的なことって印象です。
3月のような陽気だったのが、この2日間は真冬に戻ったような冷たい風と雪。今日はまた太陽が照りだして、雪は溶け出しています。
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2月20日
今日はほんとに暖かかった。
ビニールハウスの扉を全開にして、それでも暑くてTシャツ一枚で仕事してもまだ汗が出た。
雪がどんどん融けてくる。畑の真ん中に立って耳をすますと、雪の融けていく音が辺りから聞こえてくる。いよいよ春か。
ところで、日曜日の新聞で、日本が輸入した米国産牛肉に輸入条件違反の肉が見つかったと載っていたけれど、今回は役所もメディアもサッパリさわがないね。原因は「不注意」っていうから、とても怖ろしいし、かなりなめられてるんじゃないかと思うんだけど。喉元過ぎて話題性が無くなったからか??
それにしても吉野家牛丼再開の時の報道のはしゃぎっぷりはどうだろうか。食品系のスポンサーからそういった意向があったのか、政府から圧力があったのか、それとも単にミーハーなのか。
善し悪しは別にして、最近視聴者のご機嫌取りみたいな報道ばかり目に付くのは私だけか?
今日の山形新聞で東北経済連合会40周年記念フォーラムってイベントの記事が載っていた。東北固有の文化をどう認め、将来に向けて発信していくか
、といった感じのフォーラム。東北の文化を語る中でパネリストの山折哲雄氏が〈「共死を忘れた共生」というのは浅はかなスローガンに過ぎない〉って言っていた。まさに実感。
有機農業なんかやっていると、毎日のように無数の命を奪う現実に直面する。
人間に限らず、生きものは他の命を奪うことでしか自分の命を長らえることは出来ない。それは自然の循環であり、避けては通れない。と言うより、避けてはいけないことだと思う。
現代は生きるということだけ尊んで、死ぬということを忌んでいる。見て見ぬふりをしている。死というものを厭わずにしっかり見据えなければ、しっかり生きることは出来ないと思うのだが。
「共生」は「共死」をも一緒に含んでいる。農の現場にいると、「共生」って言葉も都会とは違ったニュアンスになってくる。
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2007年3月6日
| 電気農場日記 2007年1月 |
雪が少ない
1月08日
強烈な低気圧の影響で、昨日はものすごい風でした。
おかげでビニールハウスにあちこち穴が空きました。
ビニールが汗をかいて、なかなか補修テープがくっつかない。
それにしても、年末の東風で壊れた防風ネット、正月中に直しておいてよかった。でなかったら今頃ビニールハウスは丸裸になっていたかも。
昨日からずっと大雪注意報がでていて、テレビのニュースではけっこうあちこち荒れているようだけれども、こっちは今のところほとんど降っていない。
明日は降るのか?とりあえずは脱穀作業に没頭中。
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1月12日
猛烈な低気圧襲来ってことで意気込んで待ちかまえていたら、風は強いものの雪の方はサッパリ。
どうも他の地方で大雪降ってる時はこっちはあんまり降らないことになっているみたい。
この冬、ビニールハウスの除雪をしたのはたった一回。まだしなくてもいいような感じだったけれども、たまには気分転換って感じで。
ほんとにねえ。ビニールハウスん中に一日中座って、一人黙々と手だけ動かしてるってのは、精神衛生上よろしくない。
雪が積もっているとまったくの無音で、音といえばごくたまに近所の牛が鳴くくらい。
気が変になりそうなんで、ラジオ鳴らしながらやっても楽しくはない。
何かいい気分転換はないものか。
ああ、温泉に行きたい。旅館にこもって一週間ぐらいボケッとしていたい。いや、二、三ヶ月は雪深い山奥の旅館の薄暗い部屋の中でコタツにうずくまって、じぃっとしていたい。ああ、病んでるなあ。
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1月20日
今日は知人から「パソコンの具合がわるい。メールの具合を見てくれ」と。
朝からさっそく行ってみると2001年制のパソコンにMe。
買ってすぐに押し入れ行き。ず〜っと眠っていたのを引っ張り出してきて、正月にやっとプロバイダー契約&ネット接続したとのこと。
さすがに勝手がわからない。動作が遅い。メモリー64MB!
1,2時間で済まそうと思ったら、あーでもない、こーでもない、なかなか設定が定まらない。
お昼に梅屋のモツラーメンをご馳走になって、結局3時頃まで掛かってしまった。
一日モニターをにらんでいるとさすがに目が疲れる。
まあ、それでもずっと孤独な作業でしばらく家族以外の人間としゃべっていなかったので、いい気晴らしにはなった。
帰りに産みたての卵もいただいたし。
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1月28日
一年で一番寒い時期のはずなのに、この暖かさときたら。
今年はビニールハウスの除雪もまだ2回。
この分だと屋根の雪下ろしは春までしなくてもいいかも。
肉体的にも精神的にもずいぶん楽ですが、除雪を仕事にしている人は商売あがったりみたい。
時期が時期だけに厚い雪雲が雪を降らすこともありますが、これが続かない。半日降ったら雲が切れて青空が覗いたりして。
普通の年なら3日も4日も雪が降り続いて、毎日除雪作業に大忙しの時期なのに青空なんて。
厚い雪雲が太陽を遮り、日が差すことがまれなはずのこの時期に、雨が降って雲が切れ虹が立っていました。
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2007年1月15日
| 収穫祭 〜東京・神奈川 |
鎌倉の修道院にて
地元農家グループの収穫感謝祭に参加してきました。
今年は川崎市宮前区の保育園をお借りしての開催。
会場は神奈川だけれども、こちらは消費者をお迎えする側。
料理も新庄のお米に新庄の料理、名物の芋煮。
終わってから会場を二駅先のビルに移してミーティング。
終わって、また数駅戻ってやっと宿に。
移動が疲れるったら。
農家十数名、翌日はお米などを扱って貰っているカフェや自然食品店などを分担で訪問。
午前中時間があったので、都心のラーメン屋に入る。
豚骨こってり系のラーメンを食べると必ずお腹が緩くなる。
そこで塩ラーメンを頼んだら、これがこってり&脂たっぷり。
案の定緩くなってきた。
下半身の緊張感と戦いながら、午後は府中のカフェスローのイベントに参加。
料理はなにやらよくわからん西洋料理みたいなもの。
農薬を控えた健康的な食材なんでしょうが、田舎者の口と緩い腹には相性が悪いようで。
「スロー」とはいいながら、薄暗い閉鎖された空間に人いきれと音の洪水。すっかりまいってしまいました。
店の前の中庭で子猫とじゃれている方が楽しかったりして。
夜には小金井市の市民活動グループ「市民自治こがねい」の事務所におじゃま。
分散していたメンバーもみんな来ていて、さらには通りがかりの人も交えてのギュウギュウ詰め歓談。
翌日の訪問は鎌倉ということで、途中で退席。電車を乗り継ぎ、横浜のホテルにチェックインしたのは9時過ぎ。つかれた〜。
最終日は鎌倉の修道院を訪問。シスターたちとの和やかな歓談。
毎年新庄に畑の草取りをしに来てくれる方たちです。
いや〜、なんというかやっと生活のテンポが自然体な場所に来たって感じです。
クリスチャンではないけれど、やっと穏やかな心持ちになれました。
いただいた昼食がすばらしかった。
ほんの少し胚芽が残っているかなって位の精米と豚汁。
おかずは細かく刻んだカブの葉っぱの塩揉み、蕗の佃煮、大根と人参のなます。
シンプルで飾り気のない、それでいて生命力にあふれた本当の食事って感じでした。いやあうまかった。
最後に大田区久が原の修道院を訪問。こちらは過去に2度ほどおじゃましています。
こちらのシスターたちも明るく、和気藹々としていらっしゃる。
夕食にカレーライスをご馳走になりました。付け合わせに出た自家製ゴーヤのピクルスが絶品。
さらにはおみやげにいつもいただくシスターが焼かれたパン。これもまた絶品です。
贅沢なわけでもなく、それでいて本当にいい食事をしているんだと、私のお腹がいっておりました。
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2007年1月15日
| 電気農場日記 2006年12月 |
根雪か?
12月01日
朝起きてみたら雪で一面真っ白。うわっ、こんなに積もりやがった。
今日はアイガモの処理のため、宮城までいかなくちゃならない。
道路大丈夫だろうか?
とにもかくにも、朝五時半出発。
最上町を走っている頃、ちょっとずつ明るくなってくる。
夜明け前、一面の雪が薄ぼんやりと光り出すというか、浮き上がって来るというか、きれいなんだなこれが。
宮城県に入ると雪はあまり積もっていない。鳴子を過ぎるとほとんど雪はなくなった。
八時に現着。田んぼで働いてくれたアイガモたちは肉になってしまう。
毎日全国の小鳥たちに食べさせる雑穀の脱穀作業をしていて、今日は家で働いてくれたアイガモを食肉処理に出す。
農業なんてのは矛盾に満ちた、切ない商売ですな。
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12月05日
1日から雪がずんずん降り続き、けっこう積もってしまいました。
野外に設置していたアイガモの運動場の金網を撤去しようと思っていたのに、雪で埋もれてしまいました。
今日は雪から雨に変わりました。少し融けてくれると作業がし易くなるのですが。
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12月06日
いきなり雪が積もって、アイガモの金網の撤去はもう出来ないかなあと思っていたら、晴れました。気温も高い。雪が融けていく。
おかげで無事作業終了。
来年苗に使う培土5トンほど。
雪が積もってくると小屋の中に搬入できなくなるなあと思っていたら、今日業者さんが運んできました。グッドタイミング。うまい具合に雪が融けて、なんとか小屋の中に収まりました。
どうしよう、どうしようと困っていたことが意外にあっさり解決。
じつは世の中って、結構うまくいくように出来ているのかも。
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12月18日
数日暖かい日が続き、今月初めに積もった雪がほとんど消えて、やっぱり暖冬かな?と思っていたら、今日はだいぶ冷え込んで、また雪が積もりました。今度は根雪になりそうです。
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12月22日
根雪になるか?と思っていたら、また暖かくなって、雪が融けていきました。
やっぱり暖冬なのかな。
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12月25日
今日も暖かい。
雪もかなり融けてしまった。
このまま降らないと作業的にもだいぶ楽なのだが、雪が無いと春先の水量が心配。
とっても複雑な心境です。
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12月30日
ここ新庄は冬になると日本海を渡ってくる冷たい西風が強く、その一方東風はほとんど吹かない。
除雪の段取りなんかもあって、ビニールハウスの風よけネットは完全に西風のみに対応する形で張っている。
そこに先日の暖かい暴風雨。
残っていた雪がすっかり消えてしまったのはいいとして、猛烈な東風によって風よけの支柱が傾いたり、ネットが飛んだり。
今度は寒波でけっこう雪が積もり、さらに支柱が傾くわ、はずれたネットが雪に埋まるわで、よけいな仕事が増えてしまった。
もうさすがに、この雪は根雪かなあ。
出来ればもう一回消えてくれると、補修作業がし易くなるんだけど…。
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2006年12月26日
| 電気農場日記 2006年11月 |
大豆の刈り取り
11月06日
昼、有機栽培関係の書類を市の農林課に持って行ったら、市役所の玄関入った正面に、日本ハムファイターズ・新庄剛志選手から贈られた、本塁打200本記念の黄金に輝くバットがデーンと鎮座。横の立て札には「どうぞ、手にとってご覧下さい」。おお、恐れおおい。何ともまばゆい黄金の輝き、何かちょっと元気でた。
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11月09日
大豆の刈り取り終了しました。
良い天気が続いていて、今年は刈り取りも心配ないな、早くコンバインが廻ってこないかな、とのんきに構えていたら、いきなりものすごい寒い雨と強風。
ちょっと不安になっていたところ、昨日今日とうまい具合に晴れたので、無事刈り取ることが出来ました。
晴れたといっても、午前中は深い霧。昼頃から霧が晴れ、少しずつ日が差してきて、刈り取り作業を開始したのは午後2時半頃。サヤが湿っていると、うまく脱穀できないのです。
この効率の悪さだから、なかなか機械の順番が回ってこないわけです。
明日からまたずっと悪天候。とにかく刈り取れてよかった。
刈り取った大豆は無事、新しい乾燥機で乾燥中。
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11月12日
大豆の乾燥は籾と違って、だいぶ低い温度で乾燥するので、24時間くらいかかりました。
そして今日は選別機を借りてきて選別作業。
やっぱり雑草に埋もれたせいで、収量は少なめだし、粒も小粒なものが多めです。
それでもさすが最新の乾燥機、仕上がりは上々です。
選別が終わって、機械を返して、やっと一段落、と一息ついていたら、雪!
寒いと思ったら雪です。
けっこう降ってきました。
このまま冬になるのかな。
急いでコタツの準備をせねば。
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11月20日
相変わらず冷たい雨が降り続く毎日。
昨日は消防団で一年の労をねぎらって鴨鍋で一杯。
汁は醤油味に肉の臭みを消す生姜をたっぷり。
具は鴨の肉とレバー、短冊に切ったごぼうと太ネギをぶつ切りにして。具の種類が多けりゃいいってもんじゃありません。
鍋を堪能し、たっぷりと鴨の脂とダシが出てきたところにうどんを入れる。
甘〜い鴨の脂がうどんに絡んでこれまた美味い。
大変あったまりました。
話題は今年一年の収穫。ああ、今年はモチ米が悪かったなとか、はえぬきはイモチ病ばっかりでダメだったな、コシヒカリは割とよかったなとか。
高速道路はいつ通るのかなとか。
新庄の将来はどうなっていくんだろうかとか。
農業で生活していくことは出来るのかとか。
スローライフっていったい何だ?とか。
親父と仲が悪いとか、親父とじいさんの仲が悪いとか。
悩み多き農村青年たちの日常です。
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11月26日
ずーっと雨降りだったのが、ここ2,3日ぽっかり晴れました。
さすがに朝は氷点下まで下がりますが、日中は風もなくよい日和。
おかげで雪が降る前にやっておきたかった外仕事はおおむね終了。
畑に残るのはブロッコリー、キャベツ、長ネギがすこしずつ。
車のタイヤも交換したし、あとは雪が降るのを待つばかり。
天気予報では明日からまた雨、そのうち雪。
確実に冬は来る。もう、すぐそこに。
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2006年11月22日
| 電気農場日記 2006年10月後半 |
黒米天日乾燥
10月16日
昨日、近くに熊がでた!
子連れ三頭、田んぼ道をのんびり歩いていたらしい。
今年は7月の低温・長雨、8月の高温・小雨といった異常気象が続いたため、山にはブナの実、ヤマブドウ、アケビ、ドングリ。なんにも実ってないそうだ。
けっこうあちこちに熊が出没している。コワイヨー。
夕べの会合で聞いた熊の話。
熊はモチ米が好きなんだそうだ。
毎年モチ米を植えて、毎年熊に食べられている田んぼに、今年はうるち米を植えてみた。
そしたら熊公、一口だけ食べて、後はよそのモチ米が植わっている田んぼを食い荒らしていたそうだ。
熊って意外と食にはこだわる?
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10月18日
やっっっと!大豆畑の雑草刈りが終わりました。
いやはや、どこに大豆があるのかわからないくらい茂ってしまって、途中稲刈りで中断して、はたして大豆刈り取りまでに終わりのだろうかと。それでも地味〜に少しずつ少しずつ刈り取って、やっと終了です。ヨカッタ。
草を刈り取っていると、頭上を白鳥の群が横切って、ああ、もう冬が来るのか。
−−−
10月22日
昨日は新庄市の総合防災訓練ってのが我が昭和地区で行われまして。
水の乏しい昭和地区。この時期さらに井戸の水位も下がって、新庄市じゅうの消防ポンプが一斉放水するのに水が足りるかと、ここんとこ地元消防団はあーでもないこーでもない、かけずり回ってなんとか水利を確保。無事訓練を終えました。
夜、打ち上げが終わって外に出たら見事な星空。いい感じ、歩いて帰ろうと、明かりのないたんぼ道を酔った足取りでぶらぶら歩いていると、流れ星がズズッと派手な尾を引いて、東の空を駆け上がっていった。いい感じだな。っと、そういえば熊が出たんだっけ。急に怖くなってきた。道を折れて街灯が並ぶ県道に軌道修正。しかし明かりの灯る歩道を千鳥足でフラフラ歩くってはなんだか無様な感じだな。
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10月23日
今日は雨。寒いです。
思い雲が低く立ちこめ、空は暗いです。
気持ちは落ち着きます。のんびり、のんびり。
そんなわけで、屋内作業。
ビニールハウス内で黒米の脱穀作業。
昔懐かしい足踏み脱穀機で、えっちら、おっちらのんきで気長な作業です。
日もすっかり短くなり、5時前には暗くなってくるので仕事の時間も短い。
こんな時代にこんなことしてていいのだろうか?
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2006年11月1日
| 電気農場日記 2006年10月前半 |
日が短くなる
10月01日
どんどん秋が深まっています。
まずは食卓から。
今年初の栗ご飯。
地元産の栗を使って。
渋皮をきれいに剥きすぎだな。
少し残した方が、ご飯にちょっとした渋みが残って美味い。
今年初の食用菊。もちろん自家産。
赤紫色の「もってのほか」。
お浸しにして。
これまた秋の香り。
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10月05日
やっと稲刈り終わりました。
ホッと一息・・・・まだ入れられません。
雑穀の刈り入れがまだ残っています。
ただ今小豆と雑穀の刈り取り同時進行中。
朝食に「からとり」の味噌汁、今年初。
からとりは里芋の茎、というか茎を食べる里芋というか。
「ずいき」とか「いもがら」ともいうのかな。
とくに美味いわけでもなく、かといって不味いわけでもなく。
なんだかはっきりしない噛み応えとか。いいんだか、悪いんだか表現仕様のない香りとか。
どうでもいいような食べ物だけど、秋から冬にかけて、味噌汁や納豆汁には必ず入っていたような。この季節には欠かせないもの。
これは一番懐かしさを感じる味だな。
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10月08日
昨日親戚が一抱えもあるようなでっかい舞茸を持ってきてくれた。
さっそく舞茸ご飯。美味!
この時期、テレビのニュースやバラエティ番組なんかで稲刈り体験とかよくやっている。
農業に触れてもらいたい。食べ物の出来る過程を知ってもらいたい。って「気持ち」はわかるけれども、農業がレジャーになってしまうのはなんだかとても切ないものがある。
今、国は大々的に農業を大規模化、工業化の方向に持って行こうとしている。現実離れした田植え体験や稲刈り体験がその目くらましになってしまうんじゃないか、とっても不安になる今日この頃。
−−−
10月13日
いい天気が続きます。
じっとしていると寒いくらいだけれども、体を動かして仕事をするにはちょうどいい感じです。
雑穀と小豆の刈り取りが終わりました。
小豆の方は刈り取りが遅れたため、こぼれたり、雨で蒸れたりして、だいぶ収穫が減りそうです。
収穫時期がみんなかぶってくるので、手が回りきらず、なかなか全部ちょうどいい時期に刈り取るというのは大変です。
あとは、大豆畑の雑草刈りがまだ残っている。コンバインの清掃もまだ。なかなかゆっくり出来ないなあ。
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10月14日
籾すり作業が終わった。
刈り取った段階では、まあ、いつもの年より若干少ない程度かな、といった感触だった。
ところが、ササニシキはひどかった。
7月の悪天候が影響して、9月になり一気に穂イモチ病が蔓延した。
籾を剥き玄米にする段階で目減りする空籾の量!選別機を通して、こぼれ落ちるクズ米の量ときたら!
残った米は普通栽培米の半分以下。まいった。
一方さわのはなの方はイモチ病の被害も少なめだったことから、だいぶマシな収量となった。この品種は野性的で、雑草や病気に強い。有機栽培に向いている。
やっぱ今年みたいな悪条件が重なる年は、栽培方法うんぬんよりも、品種の特性がだいぶ影響してくるみたいだ。
ササニシキはもともとイモチ病に弱い品種だから、来年以降も頭の痛い問題だ。
なんとか克服する手はないか。また冬の間、じっくり考えてみよう。
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2006年10月11日
| 電気農場日記 2006年9月後半 |
黒米手刈り
9月16日
台風がやってくる。ってことで(?)
機械の調子見がてら、ちょっとだけ稲刈りしてみました。
7月の天候不順で、出穂もだいぶ遅れ、今年は不作かなと思っていたところ、刈ってみた感じはそれほど悪くない。
もちろん豊作とはいきませんが、籾の量は平年並みくらいあるような感じ。
とりあえず籾の段階では。
稲刈りは始まったものの、しばらくは雨続き、次はだいぶ先になりそうだ。
−−−
9月19日
台風が逸れてくれて一安心。
稲刈り2日目。
けっこう晴れが続きそうなので、稲刈りがはかどりそうだ。
それにしても・・・農協から米の買い入れ価格のFAXが届く。背筋が寒くなるほど安い。いやはや農協出荷じゃまったく商売にならないようになってしまったな。
ちょっと前は「食っていくのがやっと」なんて言葉が聞こえていたが、「食っていけねえ」がリアルな数字。
−−−
9月22日
昨日は稲刈りをお休みして、籾摺り(籾を剥いて玄米にする作業)・選別作業をしました。
天気がいいのに稲刈りしないのはもったいなかったなとも思っていたのですが・・・。
夕方農協職員が各戸を緊急訪問。米の値段が下がるので、あるだけ明日中に出荷してくれとのこと。
うっひゃ〜、まだ下がるか!
ともあれ、籾摺り作業をしたのはタイミングがよかった。
夜は地区の芋煮会。本式には川原でやるのだが、こんな忙しい時期、そんなことしてられないってんで、地区の公民館で。
なにせ生ビールのサーバー常備!
今年の里芋はこれが初めて。うまかった。
みんな退けるのが早いなと思っていたら、早朝から籾摺り作業の音がそっちもこっちも。
たいへんだあ。
ここんとこ天気もよく、空気も澄み、夜空の天の川がものすごい。
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9月26日
雨が来る前にあきたこまちの刈り取り終了。よかった。
サッパリ休めない。
疲れがたまってきた。
精神的疲労もたまってきたな。何か気晴らしはないものか。
とりあえずは酒飲んで寝るか。
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9月29日
おととい、昨日と作業小屋にこもって籾摺り作業。機械の大音響を聞きながら、30kgの米袋を一日中積み上げる。
けっこう疲れがたまる。
今日は朝から黒米と小豆の刈り取り。
どちらも手刈り。とくに小豆は深く茂った雑草をかき分けての作業で、仕事が進まないったら。そんで、天気もいいもんだから、大汗かいてしまった。
この三日間はけっこう腰にきた。きついな。
それに比べて稲刈りなんて、コンバインに乗ってのほほんとしてるだけだから、なんと楽なことか。
明日からササニシキの刈り取り。
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2006年9月29日
| 電気農場日記 2006年9月前半 |
もうすぐ稲刈り
9月01日
出穂が遅かったので、稲刈りもだいぶ遅くなるかなと思っていたら、早生品種のヒメノモチはずいぶんと青みが抜けていい感じになってきていました。
困ったのがササニシキ。予想したとおり気温が下がってきたら、穂イモチ病がじわじわと広がってきている。
穂イモチ病は稔る途中で穂の付け根や途中の枝梗が枯れて養分が籾に行かなくなる病気。
ササニシキはとくに弱い。以前減農薬で作ったササニシキはあっという間に田んぼ全体に広がって、収穫が半分以下になってしまったことがある。
無農薬有機の田んぼ。植物活性剤とか散布してはいるものの、じっと耐えてお天道様に祈りながら収穫期を待つしかない。
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9月05日
朝 田の畦の草刈り。
あんまり早く刈ると稲刈りまでにまた伸びてくるので、まあ、のんびりと少しずつ。
昼 久しぶりに蕎麦を食う。
庄司ソバの合い盛り。
午後 大豆畑の草取り。
8月半ばあたりから背の高い雑草が伸び出し大豆が埋もれてしまった。
いつ終わるともなく果てしない雑草の海。ああ。
やらなければならないことはいっぱいあるけれど、つまるところ、淡々と、毎日は流れゆく。
急いでも仕方ないな。
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9月06日
ぼちぼち周りの畑ではサイロ詰めする飼料用トウモロコシの刈り取りが始まりました。
学校出たての頃は毎日のようにあっちの家、こっちの家と刈り取りに駆り出されたものでした。
2m以上伸びたでっかいトウモロコシを鎌で刈り取って、トラクターの牽引するトレーラーに山積みにして、サイロの前で裁断機に4,5本ずつ入れていく。
腕は切り傷やミミズ腫れだらけ、痛くて風呂に入るのが大変でした。
最近はみんな機械作業になって、バイトの出る幕はなくなりました。
さて、今日もいつものように大豆畑の草取りをしていると、後ろの方でガランガランとでっかい音。
なんだ?と振り向くと、向こうの県道ででっかい四駆が土煙を上げ、ごろんごろん転がって田んぼに落ちてった。
うっひゃー、世の中いろんなことがあるんだなあ。
夕方から雨。
ちょっと寒くなってきました。
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2006年9月29日
| ちょっと旅に |
五箇山・相倉集落
8月26日から4日ほどかけて、オートバイでツーリングに行ってきました。
白川郷、五箇山から能登半島をぐるりと回ってきました。
さすがに能登までというと、行き帰りに一日ずつかかります。朝出て一日走りっぱなしで夕方帰ってきました。
疲れたのなんの。
能登半島をぐるっと回ってみて思ったのが、「田んぼしかないなあ」。
海岸線は断崖絶壁みたいな所が多いんだけれども、崖の隙間から波打ち際まで田んぼが突きだしていたり。行く途中の新潟あたりでは転作田に大豆が植わってあるところとかいっぱいあったのに、こっちはなぜか「田んぼだけ」って印象が残りました。
あと、家々の庭に植わっている庭木なんかを見ると、こっちは東北なんかに比べて、ずいぶんと季候がいいんだろうなと感じましたね。
この季候じゃいいものが出来るんだろうなと感じたのですが・・・・4日あっちにいて、天気予報とか見てみると、日中の気温は新庄と同じくらいでも、夜温がぜんぜん高い。25,℃位ある。
確かに夜暑くて朝までクーラーや扇風機を付けっぱなしにしていても平気。
今の季節、新庄では窓を開けて寝たら寒いくらい。
なるほど、季候がいいのも一長一短だな。
とくにあそこに行きたいとか、あれを観たいとか、強い願望があったわけではなく、ただ何となく能登の方は行ったことがなかったので、ちょっと行ってみようかな〜ってなかんじで行ったもんで、4日中移動日が2日ってのはなんだかもったいなかったな。
それでもいろいろと感じるところもあり、無駄ではなかったのでは無かろうかと。
富山・石川あたりではもう稲刈りが始まっていましたね。
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2006年9月7日
| 月山に登って |
夏の月山登山
先月末に月山に登ってきたということで、月山の麓の村を舞台にした熊谷達也の「迎え火の山」を読みました。
物語の背景として描かれている田舎の生活がとてもリアルです。
現代の地方が抱える問題や、それに向き合って生きる土地の人たちの心情、自然の中で生き、死んでいく日常。血の通った田舎の生活が、都会視点ではなく現地の視点でしっかりリアルに描かれています。
旧盆の十三夜に月山の山頂から麓まで迎え火を連ねる採燈祭。
篝火をたよりに先祖の霊が天上から下りてくる。それに紛れて人々に災厄をもたらす鬼が下界に下りてくるのを防ぐといった、土着の信仰をモチーフとしたオカルトホラー小説ですが、このエピソードはなんか地方の現状に置き換えられ無くないか?
昔から延々と続いている古くさい田舎の生活、慣習とか。これを祖先の霊とするならば、「鬼」は、都会の価値観じゃなかろうか。自然を破壊するとか、共存するとかいったレベルの話ではなく、都市の論理で定義された田舎。たとえば都会視点でテーマパーク化された虚構の、張りぼての田舎とか。
テーマパークってのはその裏側を絶対見せちゃいけないんだそうだ。
たとえば大きなかわいいヌイグルミの中に人間が入っているなんていっちゃあ、絶対ダメなんだそうだ。
田舎の生活をテーマパーク化してしまったら、そこで現実に生活している人はいったいいつどこでヌイグルミを脱げばいいんだ?
地方の活性化とか、村おこしとかいって、都会の視点で田舎を定義してしまうことははたしていいことなのか?
スローライフだなんだいってるけど、結局は都市の視点。そこにあるのは田舎の生活、自然と共にある生活じゃなくて、「自然に囲まれた都会的な生活」にしか見えない。
それがいいのか悪いのかはわからないが、そこに魂を食い尽くす鬼は潜んでいやしないか?
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2006年9月7日
| 電気農場日記 2006年8月後半 |
夏の牧草畑
8月17日
相変わらず日差しは強くて気温も高いけれど、なんか風が冷たくなってきた。
空もずいぶん高くて、秋っぽい雲がたくさん漂っている。
ちょっとだけ頭をもたげてきた稲穂が一面風になびく様がとても心地よい。
夏はもう終わったか?
コシヒカリはまだ穂が出ていない。
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8月20日
今日も暑い。
アブラゼミの怖ろしいほどの鳴きよう。
それにしても・・・。
うちの地域にはアブラゼミやヒグラシやらはいっぱい居たけれども、ミンミンゼミは一匹もいなかった。
ミンミンゼミの鳴き声なんて、テレビの中か、よそに行ったときしか聞いたことがなかった。
それが今日。生まれて初めて、家の前でミンミンゼミが鳴くのを聞いた!
衝撃的!!
どっからやってきたのか?
飛んできたのか?なぜ今になって?
それとも虫籠から逃げ出したのか?
不思議だあ。
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8月21日
今日はちょっとした研修会があって、庄内まで有機の田んぼを見に行きました。
最初に見た田んぼはまったくの無肥料で栽培している田んぼ。除草はうちでも使っている除草機「あめんぼ号」の改良型。なかなか優れもので、ノビエはもちろん、コナギも少ししか生えていませんでした。
新しい機械がほしくなってしまった。
稲の姿は茎数が少なめで、穂もそれほど大きくないけれど、一本一本の茎が太くてきれいに開いている。話を聞いてみると、別に特殊な栽培法を取っているわけでもない。品種によって草の形が違うとはいえ、無肥料でこんなになるとは、やっぱり最後は土の力かな。
次に見た田んぼはノビエもコナギもそこそこ生えていて、それでも稲の生育を邪魔するほどではないかなといった程度。一目で除草剤を使ってないのがわかる感じ。
一株の植え込み本数が多めなのか、穂を着けずに枯れていった茎が目立った。稲の姿も慣行栽培っぽい形。
一昔前だと、こういった田んぼを見ると、自分の技術の未熟さを痛烈に思い知らされたのが、最近は冷静に見られるようになった。
それだけ技術が上がったのか、それとも単に慣れてしまったのかな?
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8月24日
いや〜、日中は相変わらず暑いものの、吹く風の涼しさよ。夕方にはすっかり秋の風情でした。
新庄の秋は早い。
新しい乾燥機がやってきました。
最近主流の遠赤外線型です。
今までの温風を籾に吹き付けて水分を飛ばすタイプとは違って、遠赤外線を照射して籾を乾燥させるタイプなので、天日干しと同じような仕上がりになるそうです。
食べるのが楽しみ。
さらに、今回購入したのは「汎用」乾燥機。
米だけでなく、麦、ソバ、大豆の乾燥も出来る型です。
毎年大豆の乾燥では苦労してきましたが、今年は心配なしです。
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2006年8月25日
| 電気農場日記 2006年8月前半 |
夏の夕暮れ
8月07日
暑いなあ。言うとよけい暑くなるけど、言わずにいられない。暑い。
おかげで仕事がさっぱりはかどらない。
朝は涼しいけれど、10m先も見えないほどの濃霧。朝露ぐっしょり。
午前中ちょっと仕事してえ、後はもう暑くて仕事にならない。
3時頃、ちょっと涼しい風が吹いてきたなと思って田んぼに出たら、とてもとても太刀打ちできない。暑くて頭がくらくらする。
アイガモのネットの撤去をしているけれども、いつ終わるやら。
畑の草取りなんかとても向かう気にならない。もー、なるようになれ。
あきたこまちはだいぶ穂が出てきました。
ササニシキとさわのはなも走り穂がちょこっと出始めています。
それにしても、あの日が差さなかった7月から、8月になって一気にお日様が照りだし、よーく田んぼを見てみたら、葉っぱにイモチ病のあることあること。
この天気でだいぶ収まっているけれども、涼しくなってくる今月末から9月頃にまた、今度は穂にイモチ病が付くだろうなあ。
あの天気だったんだから、しょうがないと言えばしょうがないけれども、はたしてどれくらいの被害があるだろうか。見守っているしか手だてがない。
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8月08日
書きたくないけど今日も書く・・・暑い!
台風が来る前にって、大急ぎで田んぼのアイガモネットを撤去しました。
午前中は10時前にギブアップ。午後は4時頃から出動。なんとかやり終えました。
次はあれをやらなくちゃ。いや、やりたいという気持ちはあるんだけれど、なかなか、暑くてゴロゴロしていたいという気持ちもあって、どちらかというと後者の方が勝ってたりして。
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8月10日
有機の田んぼはコナギがすごいことになっています。
コナギ=雑草です。6月の後半、そろそろ田んぼに機械を入れるのは止めようかと思っている頃に、一斉に繁殖してきます。
でもアイガモを入れた田んぼではカモが全部食べてくれるので一本もありません。
と、7月末にアイガモを引き上げた田んぼ、最近一斉にコナギが芽を吹き出した!
これにはビックリ。
はたして収穫に影響はあるんだろうか?
それにしてもしたたかな生命力。怖ろしや。
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8月13日
8月に入ってやっと梅雨が明けたと思ったら・・・・確かに真夏日が続いて暑いんだけれども、なんだか空の具合や雲の具合が秋っぽい感じ。今日も暑かったけれど、風が心なしか冷たい。
このまま秋になっちゃうんだろうか?
なんか、そうなると収穫の方もあまり多くは期待できないのかな。
今日は減農薬田に竹酢液、有機田にヒノキチオールを散布。
とくにササニシキはイモチ病が多く付いている。涼しくなるとまた増え出すのだろうか。心配だ。
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2006年8月25日
| アイガモ顛末記 |
捕獲したアイガモたち
7月28日アイガモ達を捕獲、収容所へ送る。
餌付けしてすっかり従順になっていたアイガモ達は罠とも知らず、餌に導かれるまま、捕獲部屋に収まった。
スムーズに収容作業は終了すると思ったところに心の油断があった。
芋を洗うような混乱の中、一羽のアイガモが仲間の肩に飛び乗り高く跳躍。梁に取り付いて、捕獲作業のため開け放っていた天井から外へ飛び降りた!
さらに油断があった。
群があまりにも従順だったため、包囲の網を解放したままだった。
なんの手だても打てないまま、一羽のアイガモは広大な田んぼの茂みの中へと消えていった。
不覚であった。慢心が招いた当然の結果である。深い悔いが残った。
それから逃亡したカモとの静かな戦いが始まった。
早朝、捕獲部屋に撒いた餌を食べた形跡はある。しかしいっこうに姿を見せない。田んぼの周囲を見回っても、深く茂った8月の稲はカモの姿を完璧に隠してしまっている。気配さえ感じられない。
数日後、満を持して突入作戦をとる。
ぬかるむ田んぼの中を歩き回って探すも、まったくの空振り、徒労に終わる。
ここは我慢比べに徹するか、あるいは囲いをすべてといてしまうか。群れる習性があるだけに、仲間の声につられて、収容所に現れる可能性が無いとも言えない。
悩み続けるも、とりあえず餌だけは撒いておく。
そして8月4日夕刻。
現れた!ついにその時が来た。
夕日に照らされ、捕獲小屋の前にすっくと立つ影。なんと挑戦的な姿。
ここは落ち着かねばならぬ。
これが最後のチャンスかもしれぬ。
そうっと捕獲小屋の前に餌を撒く。
やつが餌に気を取られている隙に、背後に回り込み、囲いの網を閉鎖する。
完璧だ。
ついに自ら囲いの中に突入。
アイガモを追い回すこと数分。ついに、ついに泥にまみれたこの両手はそのアイガモをしっかりと押さえ込んだ。
やった!ついにやった。あの夏の深い夕焼けのもと、ついに私は逃亡者を確保したのである。戦うこと8日。長い道のりだった。
アイガモは収容所に送られ、仲間達と平穏な日々を送ることになる。
そして私は田んぼのネットの収容作業にはいる。
めでたい。今夜は祝杯をあげることとしよう。
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2006年8月8日
| 電気農場日記 2006年7月後半 |
毎日雨降り
7月16日
ここのところ毎日雨降り。
六月中は暑かったので、梅雨の後半はひょっとして天気が悪いのではと思っていたが、やっぱこの天気。
でも気温だけは高め。イモチ病が発生する絶好の気候。
気温24℃前後、湿度が高く、曇りで無風。これが一番イモチ病菌が繁殖しやすい条件だそうです。
周囲の田んぼでもチラホラ病気が出てきたとの話が聞こえだした。
明日あたり、慣行栽培のあきたこまちに穂肥を散布しようかと思っていたのが、天気予報だと一日雨のよう。
そんなわけで、出来るうちにやってしまおうと、穂イモチ病の殺菌剤と化学肥料を散布。
作業中に小雨が降り出した。それでもなんとか今日中にって、ちょっと無理して終わる頃にはずぶぬれ。
でも気温が高い。妙に暖かい。こりゃ、ますます病気が増えていきそうだ。
暖かいんで油断していたら、ちょっとのどが痛い。油断してるとこっちも病気になるよ。
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7月20日
毎日毎日曇りか雨。
日が差さず、暖かく、風がない。絶好のイモチ病日和がずーっと続いていました。
今日、いきなり朝から晴れてビックリ。
夏が来たみたいに日光がジンジン。
朝から晴れたのは21日ぶりと言ったか。今月は平年の19%しか日照がないとか。
明日からまた曇りや雨のイモチ病日和がずっと続くらしい。
梅雨明けは8月にずれ込みそう。
今年の作はどうなるだろう?
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7月21日
やっぱり雨だよ。
昨日の予報だと、昼頃からぽつぽつ来るかなってな話だったから、午前中雨が降るまで小豆と雑穀畑の中耕をやってしまおうと意気込んでいたのに、朝田んぼの水を見回っていたら、さっそく降ってきてしまった。
この調子だと、今年はもう中耕は無理みたいだなあ。
いつもは雨でもけっこう暖かめなのに、今日は長袖がほしいくらい肌寒い。なんだかちょっと冷害の気配がしなくもない。
八月、出穂時期にガンガン暑くなれば、だいぶ持ち直すとは思うのだが・・・・。
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7月23日
梅雨明けはまだまだ先みたいだなあ。と、考えてみると。
梅雨前線は西日本に停滞して、記録的な大雨を降らせている。
梅雨明けって、太平洋高気圧が張り出してきて、梅雨前線が北へ押し上げられ、そして梅雨明けって事でしょ?
ってーことは、東北の方はこれからまた天気の悪い日が続く。
もしかしたら記録的大雨って事も。
どうもこの調子でいくと、8月頭の穂が出る時期にかち合うような気がしてならない。
後から晴れても、作が持ち直すかどうか。
そうなると、冷害による不作って事も十分考えられる。
お天道様のご機嫌次第なんで、考えてどうなるわけでもないけど、心配だあ。
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7月25日
稲の生育はだいぶ後れてきた。
早生品種なんかは止め葉が展開して、そろそろ穂が出始める頃なのに、今年はまだ葉っぱが1,2枚残っている。
幼穂も1〜2cmで成長が止まったまま。
8月の天候回復に望みを繋ぐしかない。
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7月28日
夏が来たかのような昨日、おとといの天気とは一転、今日は田んぼの水があふれ出すほどの、今年一番の大雨。
梅雨明けが待ち遠しい。
稲の穂が出る気配もまだ無い。
午前中田んぼのアイガモを引き上げた。
大雨になる前でよかった。
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2006年7月26日
| 電気農場日記 2006年7月前半 |
田んぼのドブシジミ
7月03日
夏のような暑い日が続いていましたが、やっと梅雨らしい天気になりました。
今日は曇り空の下、田んぼの中をはいつくばっていました。
農家の仕事ってのはこんなモンだ。
で、田んぼの泥をじーっと見ていたら、5mm位の小さな二枚貝が泥の表面でぱっくり口を開けている。
え?田んぼで二枚貝?
タニシみたいな小さな巻き貝は昔からいっぱいいたけれど、二枚貝は初めて見た。
そもそも田んぼに二枚貝が居るのか?
ネットで調べてみたら、それらしいのが「貝エビ」というエビの仲間。
でもこのエビ、西日本に住んでいるみたいで、岐阜県が北限と書いてある。本当にこれか?
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7月07日
7月に入ってからずっと梅雨らしい、シトシトといい天気。
今日は地区の公用。農道の砂利敷きです。
未舗装の農道は農耕車両が走りまくりで、ぼこぼこ穴が空いてきます。
で毎年、地区の予算で、地区民総出で砂利敷きとなります。
来年になればまた穴ぼこぼこになるんだけど。
砂利敷きは午前中で終わって、ご苦労ぶりって事で酒飲み。
生ビールです。公民館にサーバーが常設されてます!
ところで二枚貝。
ジーーっと観察してもやっぱり貝。
さらにいろいろ調べてみたら「ドブシジミ」というシジミの仲間だという事が判明。
田んぼにもシジミがいるんだなあ。
『田んぼの生きもの図鑑・ポケット版』で発見。
『田の虫図鑑』には載ってなかった。虫じゃないから?
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7月08日
今日、突然晴れました。
んでもって、朝から一日雑穀畑の草むしり。
農業ってのはジミーで地道なもんです。
ずうっと雨で、いきなり晴れたもんだから、たっぷり水を含んだ畑の土から、もああっと湿った熱気がたちのぼり、汗がどくどく。
午後からはちょっと風がでて幾分マシでした。
草むしりは癒しの効果があるという。
癒されただろうか?
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7月09日
そろそろわが家の菜園では夏野菜が続々実を付け始めました。
きゅうり、ナス、インゲン、さやえんどう、ジャガイモ、シソ葉に明日葉。
食事が美味くてしょうがない。
明日の食事を思うとうれしくてしょうがない。
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7月11日
暖かくなってきて、土中の有機物の分解が活発になる時期。ガス抜きのため、田んぼの水を落とす。雑草が伸び出すけれども落とさないわけにはいかない。判断が難しい。
有機田は暖かくなってかなりコナギが増えてきた。
コナギは発芽するのに酸素も光も要らないそうだ、この草だけは水を入れようが落とそうが関係ない。田んぼの土をかき回せばかき回すほど増えてくるので、草取りに入ったものかどうか難しい。
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7月15日
農協祭ってのをやっていて、農協の敷地でビール出したり売り物をしたり、トラクターやら田植機やら大小農機具を展示したり。
200万円、300万円、400万円・・・・目が回るうう。気が遠くなるううう。
どうしろというんだあ。
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2006年7月9日
| 電気農場日記 2006年6月後半 |
トンボが羽化する時期
6月16日
田んぼの除草&害虫退治に活躍してくれるアイガモたち。
アイガモって群れる習性があって、体力のないカモは群れに付いていけずに力尽きて死んでしまいます。
大雨のあとなんかアイガモの死体が田んぼにぷかぷか浮かんでます。
生きる死ぬってのを、リアルに肌で感じる毎日。
命のはかない現実に、かなり気が滅入るというか、ヘビーだなあ。生きるってのは・・・
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6月18日
二回目の機械除草を行いました。疲れたあああ。
一回目は足腰に来たけれど、今回は腕と手首。
午前中は曇りで風もなく蒸し暑かったので、あとからあとから汗が湧いて出て、よけい疲れました。
午後からは日が出て、風も少し出てきたので、疲れながらも心地よく仕事できました。
疲れた事にかわりはないけれど。
今日畑で取れたさやえんどうの初物をいただきました。
小さいやつが5,6個しかなかったけれど、美味かった。
もうそんな季節か。
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6月21日
梅雨のまっただ中なのに、今日もものすごく暑かった。
有機&特栽田に追肥。
化学肥料だといつ頃どのくらい与えれば良いかってのが決まっているんだけれども、有機肥料だと肥効の出が遅くて、成分も少なく、材料や製造法によってもどういう風に効いてくるか違ってくるので、なかなか難しい。
とりあえずは毎年茎数が不足する傾向があるので、茎が枝分かれし始める生育中盤にガッチリ効くような感じで追肥してみた。どうだろうか?
夕方ザバッと通り雨。
もっとたっぷり降ってくれ。
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6月22日
相変わらず今日も日差しが強かったけれど、風が涼しかったので、けっこう仕事がはかどった。
今日の仕事は田んぼの畦の草刈り。
長年使っていた刈り払い機がこわれたので、ちょっと排気量の大きなエンジンを積んだ新型を購入。
仕事のはかどる事といったら。なにせ古いやつはエンジンかけるのに一時間かかったりしていたので。
最近はホームセンターなんかで安いのを置いているけれど、やっぱちゃんとしたメーカーのちゃんとした機械は仕事の能率が違います。
畦の草刈り終了。
この季節、生野菜がうまい。毎日バリバリと山ほど食ってます。
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6月25日
特栽・減農薬の田んぼにノビエだけかなり残ってしまった。
さて、除草剤振るわけにもいかないんで、除草機出動です。
ところが、エンジンが、かからない。
30分くらい格闘したあげく、こりゃイカンって事で自転車屋(兼農機具屋)に持って行って直してもらった。
使いたいときに機械は壊れる。当たり前だけど。
それにしても、除草剤と人件費のコスト差。ああ。
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6年06月29日
3回目の機械除草終了。
今日も真夏みたいな快晴。
雲の具合もすごい夏っぽい。
でも風がひんやりしていて、もんのすごい気持ちが良い。
この時期になると、突然コナギが増える。
二回目の除草が終わった頃、所々に芽が見えるな、程度だったのが、一週間もすると、背筋が寒くなるほど増えている。
除草機で取りきれない分は、手取りになるけれども、これから稲の体が変わる重要な時期になるんで、出来れば田んぼに入りたくない。
思案のしどころ。
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2006年6月27日
| 電気農場日記 6月上旬号 |
田の畦に咲くハルジオン
6月3日
熊谷達也の『まほろばの疾風』を読み返した。
八世紀後半の東北、大和朝廷に対して20年もの間抵抗を続けた蝦夷のリーダー、アテルイの生涯を描いた時代小説。
このあたりの歴史はまったく知識になかったので、最初読んだときは「ふ〜ん、なるほど、そうなんだ」くらいの感想だった。その後同じ題材を扱った高橋克彦の『火怨 北の耀星アテルイ』を読んだら、こっちは血湧き肉躍る戦記物。人物設定や展開にだいぶ違いはあるものの、事の前後関係がよくわかった。
そこで、また『まほろばの疾風』を読み返してみたってところ。
狩猟を主に生活の糧として自然と共生してきた蝦夷の人々は、和人の北上により俘囚としての生活を強制されたり、稲作の習得により百姓として生活するものが増えてきた。
自然と共に生きる蝦夷の暮らしを守ろうと朝廷に抗い、戦を始めたものの、戦い続けるには兵糧を蓄えるため稲作に頼る大和のような暮らしをしなければならず、さらに蝦夷の独立国家を作るためには大和朝廷と同じ仕組みを作らなければならない。
いつの間にか少しずつ変わっていく蝦夷の生活。
いったい何のために戦うのか、戦い続ける意味はあるのか。
職業柄、今の日本人の食習慣や農業の事に置き換えて考えたりして。
深い深いテーマです。
−−−
6月8日
アイガモのネット張りがやっと終わった。
腰を曲げての作業はけっこう疲れるし、手間もかかる。
ついでに除草機をかける。
アイガモはノビエを食べてくれないので、田んぼに入れる前に除草機をかけてノビエを退治する。
これまた田んぼの中を歩き回るのが、けっこう疲れる。
今夜はまた消防団関係で一仕事。
朝から晩まで忙しい。
スローライフとか言ってる人がうらやましい〜。
終わったら一杯やろう。
は、明日はまた除草機を引っ張って、一日中田んぼの中を歩き回る。
酒はひかえめにしよう。
あー、のんびりしたい。
−−−
6月9日
寒いです!
ここんとこずっと冷たい東風「ダシ風」が吹いてきます。
おまけに今日は雨。
雨が降り、冷たい風の吹き付ける中、一日中除草機を押して田んぼの中を歩き回っていました。
さすがに疲れた。ふくらはぎに筋肉痛が来そう。
さらっとした粘りのない土の田んぼは雑草が生えやすいかわり、除草機を押して歩くのは比較的楽。
一方、とろっとした感じの土の田んぼは雑草も生えにくいかわり、除草機が土の中に沈んでしまうので、両腕で機械のバランスをとりながら作業せねばならず、腕が疲れる。
一長一短。まあ、終わって何より。今月中にあと2回やる予定。
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6月13日
数年前からペットと化しているアイガモが卵を産み、おとといあたりから雛がかえり始めた。
最初の雛は見つけたときすでに死んでいた。田んぼで働いてもらおうという目論見もあって、二匹目からはかえったらすかさず別のケージに移すようにした。
そしたらまあ、親ガモの威嚇の凄まじい事。
ずーっと卵を抱き続けて、かえったらすぐに引き離されるんだから、わからぬでもないが・・・。
それでも非情な私は容赦なく子ガモを引き離す。
かくして、私と親ガモのピリピリした関係はしばらく続きそうだ。
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2006年5月29日
| 電気農場の日常より 2006/05/29 |
アイガモ待機中
真冬に逆戻りしたような4月から、うってかわって5月はぽかぽか暖かい日が続きます。
以前は田植えが終わると暗い肌寒い日が多かったのに、ここ数年は夏のような陽気が続くようになりました。これも温暖化の影響でしょうか。
おかげさまで苗は順調に生育。例年以上に根張りがよく、葉っぱも硬く締まっています。
20日から田植えを始めました。慣行栽培のモチ米、ヒメノモチを始め、慣行あきたこまち、特別栽培あきたこまちと植え、ここで田植えは一時中断。有機栽培田の二回目の代かき作業を行い、その後田植え再開、無事田植えを終える事が出来ました。
アイガモのヒナも到着。田植えが終わったらアイガモのネットを張って、終わったら畑に種播く準備をして、合間を縫って田んぼに除草機を入れて、ずるずるとこのまま6月まで忙しい日々が続いていきます。
でも合間見て温泉行かなきゃ。
−−−
膨大な書類を4月末の申請期限ギリギリに提出。いやはや、今まで毎年提出していた書類を新しく一から作り直さなければならなかったので、苦労しました。
ほんとにですねえ、今まで続けてきたからなんとか出来たけれど、これを新しく始めるなんてのはかなり難しいんじゃないかなあ。
私も新しく慣行の圃場を無農薬栽培に切り替えたとしても、はたして有機JASの認定を受けるかどうか・・・。
と、一段落ついてホッとしていたら、「書類に不備があります」との通知。
大豆、雑穀の格付記録がないから提出してくれとの事。
「格付記録」とは、有機JAS認定の圃場で収穫された農産物を、「有機栽培農産物」として有機JASマークを表示してどのくらい販売したかの記録のこと。
大豆と雑穀は有機農産物と表示しては販売していないので、書類の提出は必要ないと思っていたら、有機農産物として「販売していない」記録が必要らしい。あーーー面倒この上ない。
この先ずっと続けていく自信がなくなってきた。
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今年産のお米の作付けは昨年と同じ、特栽(減農薬・無化肥)あ
きたこまちと有機栽培ササニシキ、さわのはなは3年目で転換期間
が終了、晴れて有機栽培さわのはなとなります。
あきたこまちの農薬使用は4成分入りの除草剤を一回散布。例年通り8割減の減農薬・無化学肥料栽培です。
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2006年4月8日
| 電気農場の日常より 2006/04/08 |
雪の中で塩水選
全国的な大雪&大寒波で始まった今年の冬。そして春のような3月の陽気。ドンドン雪も融けて、今年は春が早いなと思っていたら、なんだか天気がヘン。
ほとんど雪が消えた3月の後半。そろそろ春作業を始めようと思っていたら、突然の大雪。土の見えだしていた田んぼはまた雪の下。
4月に入っても時々雪が降る。それも積もるほど降る。暖かくなったり、寒くなったり気温の変化がめまぐるしい。なんだかものすごく不安。今年の天候が心配です。
朝早くから白鳥の鳴き声。北へ帰る準備でしょうか。
夕方、空の色がちょっとだけ紅に染まりはじめた頃、白鳥たちが弓のような形の編隊を組んで頭の上を通り過ぎていきました。
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春が来るという事は、今年もまた稲や豆を栽培するという事です。
で、春の作業がまたまた始まりました。
冬の間ぼけていた頭もだんだんと、お仕事モードに切り替わっていきます。
でも、4月なのに時々吹雪になったりして、またやる気が折れたりして。
すっかり定着した種籾の塩水選と、温湯消毒。最近は塩水選をしない農家も増えましたが、無農薬での育苗の場合は塩水選でしっかりと実の詰まった種籾を選別するのが一番肝心。
60℃のお湯に漬けて病原菌を殺菌する温湯消毒は、昨年から塩水選と一緒にやっているんですが、作業に慣れた事もあり、去年は1日半かかったのが、一日で終了しました。小さな進歩。
後はpH調整のため苗の床土に混ぜるピートモス(泥炭)の準備。
ピートモスは乾燥しているとものすごい水をはじくので、種まき時に苗床に水がしみこまなくて苦労します。そこで水と一緒に大きなポリ袋に入れて密封してみました。上手く馴染んでくれるといいんだけど。
その他ビニールハウスの準備や、作業機械の準備や、毎年の事ながら、やる事が一杯です。
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有機の苗作りで一番泣かされたのが「ムレ苗」という病気。主な原因は床土のpH。
しばらく発生していなかったのに昨年また発生。
播種後の低温が原因かなと、この一年保温対策をあれこれ考えていたんですが…。
たまたま農業資材を扱うディスカウントショップで、試薬を使うタイプのpH測定器を見つけたので購入。試しに残っていた昨年の床土を計測してみました。
苗床の適正pHは4.5〜5.5。無農薬育苗の場合は4.5〜5.0の間に納めたい。それがなんと測ってみたら6.0もあった。
ありゃりゃ。昨年の発病の原因はpHだったのか?
昨年は土の中に器具を差し込んで計測するタイプの簡易型pH計で測っていました。適正pH値に収まっていたと思っていたのが、こんなに狂っていたとは。
床土に配合するピートモスやモミガラ炭の割合は毎年の経験の積み重ねから決めているんですが、昨年は土自体を別の土に替えたので、それでだいぶ狂ってしまったようです。
さあ、今年は大丈夫かな。毎年こんな事を繰り返して、ほんの少しずつの前進です。
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4月、5月は農繁期で農作業が忙しくなるため、発送に少々時間
がかかる場合があります。
配達日の指定がある場合はお早めにご注文下さい。
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2006年2月23日
| 電気農場の日常より 2006/02/23 |
まだまだ大雪
当初、去年の大雪ほどは積もらないかなと思っていたのが、いつまでもだらだら降り続いて、最終的には去年をちょっと上回るくらいの大雪になりました。2年連続で記録的な大雪とは参りました。
ずーっと真冬のまんまさっぱり春の兆しがないなと思っていたら、2月も半ば頃から突然暖かくなってきました。冬の訪れも急ならば、春も突然訪れたって感じです。日の光に映える奥羽山脈の美しい事!毎日太陽は顔を出すし、雪もどんどん融けていってます。とはいえ、記録的な大雪だったんで、雪が全部融けるのはまだまだ先です。
冬の間にやっておきたいと思っていた仕事がいっぱい残っているんだよなあ。もちろん屋内の仕事。
こう天気の良い日が続くと、まだ2月なのに、ついつい外に山積みになっている雪の処理に精を出してしまう。いつもの年なら3月の半ば頃からのんびり始めるんですけどね。
この分だと今年の春は例年以上に忙しくなるかも。
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2月11日に仙台で行われた、有機JAS認証のための講習会に、地元の仲間たち4人と行ってきました。
この春からJAS法が改正されて、有機認証についても改正されるという事で、今まで認証を受けていた機関「民間稲作研究所」が新たに作った認証業務専門の「認証センター」で認証を受ける事になりました。
民間稲作研究所は有機稲作の普及に取り組むNPO法人で、認証業務もほとんどボランティア的な金額で運営してきたんですが、JAS法の改正に伴って新たに「中間法人」という形で認証センターを立ち上
げたのでした。
法人ですからある程度の収益は確保せねばならず、認証料も値上げされました。キビシー。
今回の改正の全体の印象としては「外国産の有機農産物を入れやすくする」ための改正、といった印象でした。
一方、国内の有機農産物生産に関しては、実際の生産管理、書類作成など今まで以上に縛りが厳しくなります。生産現場の現実より、流通の方を優先したって感じです。
さらに今までと違って認証機関はあくまで認証業務のみで、認証に関するコンサルタント的な事や、有機農業に関するアドバイスなどはしてはいけない事になったのだそうです。
農家がこれから新たに有機認証に取り組むってのは実際ほぼ不可能なんじゃないかって思いました。
今までは農林大臣が有機農産物を認証する。のを指定された認証機関が代行する。といった形だったのが、これからは認証機関が自分の権限で認証をするといった形になります。しかも法人として収支が取れるところでなくてはなりません。
どうも今建築業界で起こっている問題が、何年か後、有機農業の分野でも起こるんじゃないかって予感がします。
そうなったときに有機JASの価値ってのはどうなるのか?ほんとにこの認証が必要かって疑問がますます大きくなってきました。でも、一度やめたら、ほんとに二度と新たには取り組めそうもないので、
とりあえずはしばらく続けていくつもりでいます。
その上で、有機JASに頼らずに信頼を得られる手だてというのを考えていきたいと思っています。
それにしても今回参加した面々を見てみると、平均年齢が60歳を少し越えるくらいでしょうか。
10年後、日本の有機農業はどうなっているんだろう。
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毎年言ってるけど、お米は今頃からが一番美味い。毎日、毎食つくづく思います。
ただし、冬の間は運動量が少ないので、ちょこっと食べる量を減らしています。体の肉が…春にしっかり動き回れるように。
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2006年1月18日
| 電気農場の日常より 2006/01/18 |
今年も大雪
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
皆様お元気ですか?今年もよろしくお願いします。
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12月、いつもの年なら雨が降ったり、雪が降ったりを繰り返し、徐々に冬になっていくんですが、この冬はいきなり真冬になってしまいました。
日本全国、記録的な大雪!! でも、じつは新庄の方はそれほどでもないんです。
去年の凄まじい大雪に較べると、ほんの少し及ばないかなといったところです。
もちろん例年に較べるとだいぶ多いんですが、なにせ去年の大雪を体験しているんで、そんなに大変だって感覚がありません。毎日の除雪もけっこう余裕を持って作業しています。
記録的って事で、毎日テレビでは大雪による事故の報道。でも、程度の差こそあれ、毎年起きている事なんですよね。
これからが冬本番って事で、今後が心配だってテレビのキャスターは眉間に皺を寄せて、毎日繰り返しているけれども、な〜に、これだけ降ったんだ、もうそんなには積もりませんよ。
ここ何日か暖かい日が続いて、だいぶ雪が融けました。冬の訪れが早かった分、今年は春の訪れも早いかなって楽しみです。
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大雪って事で、仕事の大半は除雪。特にビニールハウスはまめに除雪しないと、潰れてしまう。去年の大雪ではけっこうハウスを潰した人がいたけれども、今年は大丈夫みたいです。去年の教訓が生きているかな。
あとはハウスの中で、黙々と豆類の脱穀、選別作業。あんまり体を動かさない単純作業なんで、だいぶ体が鈍ってきたなあ&よけいな肉が付いてきたなあ。
瞬時に世界中とコミュニケーションがとれる時代に手作業でたらたら脱穀作業をしているなんて、しかもそれを生業としているなんて、考えてみるとほんとに時代錯誤というかスローライフどころの騒ぎじゃないですね。
都会から移住した人がとまどうのは、この生活のリズムというかテンポの違いじゃないでしょうか。こっちから見ていると、スローライフとかいいながらも、都会のテンポで生活している感じです。
都会の感覚で何かをしようとしても、テンポの違い、テープレコーダーの倍速再生みたいな感じでなかなか意味が聞き取れなかったり、逆に都会の人から見れば、スロー再生みたいでじれったく感じたり。
普通の田舎の生活だってこうなんだから、私のやっている事なんか、ほんとにカメの歩みみたいなもんです。
こんなんでいいのかなあ?地味〜な単純作業ばっかりやってると、なんか不安になってきます。早く春よ来い!
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最近CSで観た映画で良かったのが『ションヤンの酒家(みせ)』と『小さな中国のお針子』。どちらも中国の映画です。
『ションヤンの酒家(みせ)』は『山の郵便配達』のフォ・ジェンチイ監督の作品。経済発展めざましい重慶の裏町で露天の飲み屋を営む女性が、複雑な家族関係や恋愛に悩み傷つきながらも、したたかに生きていく様を描いた作品。
『小さな中国のお針子』は中国の山村を舞台に、中国人監督、キャストで作ったフランス映画。文革時代に貧しい山村に送られた二人の青年と村の娘の恋や旅立ちを描いた青春映画です。
最近は普通の人々の普通の生活を描いた映画がけっこう好きです。
普通に生きるってのはほんとにタイヘン。
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2005年12月13日
| 電気農場の日常より 2005/12/13 |
豆腐料理で日本酒を
いきなりの大雪!とうとう冬。いきなりの真冬です!
そして続く大雪。国道がストップしたりしてタイヘン。
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先日、地元の豆腐料理屋「みちのくゆう膳」において、日本酒の会(仮)が開催されました。ってほど大げさなもんじゃないんですが、つまりは豆腐料理を肴に、日本酒を持ち寄って、大いに飲んで米と豆と酒について研鑚を深めようと、こういった次第です。
料理は田楽、豆腐の味噌漬け、粕漬け。がんもどき葛餡かけ、湯葉、黒豆の豆乳、その他もろもろ。こういう料理は普段食べないんで、なかなか新鮮。特に豆腐の味噌漬けは日本酒にピッタリ!
参加者は7名。まず農家2名、私と主催の石井君。地元の酒蔵の蔵人一名。新庄の酒販店主一名。酒米の育種をした農業普及員一名。米穀店一名。そしてゆう膳店主。
どの顔もなにやらこだわりを持った強者揃い。話題はといえば、酒、米、豆。米づくりの話、大豆や小豆の品種の話、酒米の品種の話、お酒の仕込みの話、酒米の適性、蔵癖、山形県の日本酒の話、焼酎と肝癌の関連についてなどなど、話題はどんどんディープな方向へ。酒もどんどん細胞の中へ。そして心地よき酩酊の彼方へと。
久しぶりに心底愉快な酒を飲みました。まんぞく、まんぞく。
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雪の降りしきる中、ハウスにこもっての作業。
日は短いし、除雪作業もあるし、なかなか作業がはかどりません。
雪が音を吸収してスゴイ静かだし、ハウスの中は薄暗いし、なんか仕事する気力もさっぱり。出るのはため息ばっかり。こんな感じの毎日です。
先週アイガモの処理のため、宮城県の加美町まで行ってきました。
天気はいいものの、気温が低いせいかだいぶ雪が残っていて、雪に埋もれてまだ刈り取られていない大豆の畑がけっこう残っていました。
太平洋側とはいえ、奥羽山脈に近いところはやっぱり雪に泣かされるのかなと思ったら、地元の人もこの雪は想定外だったそうです。
帰りに近況を越え、最上町に入ったとたん空を覆う厚い雲と降る雪。天候のハンデを実感。ほんっとに大豆、刈り取ることが出来てよかったあ。
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平成17年もそろそろ終わり。やり残したことはなかったか?
やり残したことはいっぱいあるけど、やれることは全部やったし、後は来年しようっと。
皆様よいお年を。来年やりましょう。
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